2013年2月19日火曜日

WHIPLASH: "Power And Pain" (1985)


スラッシュメタルというのは、ブラックメタルの直接的な始祖であると同時に、メロディック・スピードメタルやメロディック・デスメタルの間接的な始祖でもあります。

なので、それらのリスナーにはスラッシュメタルのリスナーの「ある価値観」が受け継がれております。それは一般の音楽ユーザからすると理解し難いものなのですが、その手のジャンルが好きな人はみな多かれ少なかれ同意するでしょう。

それは、

ポ ン コ ツ ほ ど 良 い !

という価値観です。俗にいうB専みたいなもんですね。スラッシュメタルにはそういうリスナーが特に多い気がします。

このWHIPLASHの1stアルバム、"Power And Pain"もそんなB級スラッシュ専門(すいません、他意はないです)なメタラーから絶大な支持を受ける一枚です。

何がどうB級かというとですね、まず、ジャケがダサい。どういう効果を狙ったのかまったく分からない。さすがに擁護しきれないダサさ。

曲そのものもジャケに負けないぐらいダサいです。ジャケ同様低予算丸出しのしょぼいプロダクションな上に、ドタバタ感溢れるドラムの2ビート、とりあえず叫んでみました的なボーカル、16分刻んで時々ピロリロしてればいいと思ってるようなもたりまくり&走りまくりのギター、聴こえないベース。

ていうか一曲目から曲名が"Stage Dive"な時点でアホ全開です。「警備員どもを押しのけろ!」とか「殺すためにスラッシュするんだ!」とか歌ってるし。

極め付けは#6"Power Thrashing Death"。曲名といいリフといい歌詞といい、バカ丸出しにもほどがあります。

しかし、しかしですよ。これが何故かカッコよく聴こえるんです! バンド名のとおり初期のMETALLICAに影響を受けているなあとか、実はギターリフにテクニカルな部分もかなりあるなあとか、聴きどころもかなり多いんですよ!

実際、下手くそなりに耳にとっかかりを残すのは、上手いけど全然印象に残らない曲作るのなんかよりよっぽど大変ですし。

というわけで俺はB級スラッシュは別に至高のジャンルだとは思いませんが、このアルバムは嫌いになれません。というかこのダメさ加減を愛してます。

何より、お世話になってるメタルサークルに加入して最初にコピーしたバンドというのはデカい

【82点】

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