2013年2月22日金曜日

CRYPTIC SLAUGHTER: "Money Talks" (1987)


スラッシュメタルは、こんな物好きのブログをご覧になるみなさんならご存知かと思いますが、ハードコア・パンクとの共通項や相互作用の多いジャンルです。

SLAYERなんかはずっとハードコア・パンクの影響受けてますしね。

中でもこのCRYPTIC SLAUGHTERは、その名もずばりクロースオーバー・スラッシュと呼ばれるサブジャンルに属しており、ハードコア・パンクの影響を隠すことなく、むしろ表に出しまくっています。

CRYPTIC SLAUGHTERは生粋のスラッシュメタルほど刻みが激しかったりテクニカルなのではなく、"Punks Not Dead"のころのTHE EXPLOITEDを思わせるパンキッシュなリフをスラッシーな音作りにして音数を微妙に増やしたり減らしたりしたようなものが多いですね。

そして、ときにグラインドコアに通じる強烈な速さを見せます。というか速くなるときは大体ブラストビート使ってます。

80年代後半のブラストビート使ってたアルバムというと、TERRORIZERの"World Downfall"がよく挙げられますが、あっちは89年作なのでこっちの方が早いという。

お世辞にもA級のバンドではないのでドラムが不安定なことが多いですが、それですら「ハードコアなんだからいいっしょ!?」的なノリによって良い感じになってしまっているのが恐ろしいですね。

まあ、プロダクションもこの手のバンドにしてはまともな方だし、聴けないほどのド下手でもないので、そこら辺の超絶ポンコツスラッシュといっしょにしては失礼ですが。

気になった曲を挙げると、まずはストップ&ゴーを超極端に演奏した#3"Could Be Worse"。グラインドコアバンドがスラッシュメタルやったらっていう雰囲気です。

それから、S.O.D.に通じるバカさ加減のある#7"Too Much, Too Little"、ぐちゃーっと潰れていくブラストビートからのノリノリなコーラスっていうのが何ともアホっぽくて面白い(褒め言葉です)#8"Human Contrast"。

そして、#9"Tables Are Turned"でしょうね。突進力ありまくりの展開は思わずサークルピットで回ったりぶつかりモッシュしたりする気分にさせられます。何よりそんな曲に「ちゃぶ台返し」っていう曲名つけちゃうのが良い。

すでにLAメタル爛熟期で、TERRORIZERも登場する前。タイミングさえよければ有名になったんじゃないでしょうかね?

ちなみに今は活動休止期間と再結成を経て、バンド名をBELOWに変えているそうですがまったく情報がないです。誰か教えてくり~。

【82点】

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