・聴いた音源の感想とか適当にまとめるだけのブログです。
・点数制で書いてるのは俺の満足度を率直に表すためです。音楽が本来点数で表現できるものでないことは十分理解しています。が、日本語で書く以上、日頃100点満点で採点されることの多い日本人に対して、感想の要約をするには最も適していると考え、あえて点数制を用いております。
・旧譜についての投稿が多いです。
・別に意見を押し付けようとは思ってないです。ただの独り言としてお読みください。なので、あなたの好きなものもけちょんけちょんに貶すことがありますが、それについて「けしからんから意見表明するな」「不愉快だから文章を訂正しろ」と言われても困ります。
メタリックなんとか
全自動二酸化炭素&音源感想排出機
2020年2月16日日曜日
2013年2月25日月曜日
DEVOID OF GRACE: "Psychotic Journey" (2010)
モダンなデスメタル良いですよねー。
デスメタルの雰囲気を完全に無視してる感じが良いですよねー。
引き継いでるのはテクニカルな部分だけで、重さとかおどろおどろしい雰囲気は脇にほっぽってるのは批判を受ける原因でもあるわけですが、そこが良いからモダンなやつ聴いてるんだよ!
ていうかオールドスクールなデスメタルと違ってプロダクションはマトモで音の分離も良いし、リフも耳を惹く要素てんこ盛りで圧倒的に聴きやすいじゃないか!
…とか思うときもあります。そうでないときもあります。あと、オールドスクールなデスメタル大好きです。
で、このDEVOID OF GRACEはロシアのモダンなデスメタルバンド。
非常にしっかりとしたプロダクションで、ときおりベイエリア・クランチを思わせる勢いを見せるギターリフ、綺麗に歪むグロウル、多彩な展開を支えるテクニカルなドラム、ブェンブェン鳴って存在を主張するベースが走り回る、ってな音を出してます。
いかにも、「MORBID ANGELではなくNILE、DEICIDEではなくDECAPITATED、SUFFOCATIONではなくKRISIUNを聴いて育ちました! でもあそこまでテクニカルなのはやれないのでこうなりました!」な感じ。程よいテクニカルさと程よいエグさ。するりと聴けます。
特に#3"Chaos - New God"はいいですね~。まさにノリノリという言葉がぴったりきます。
ただ、モダンなデスメタルが陥りがちな「優等生の音」になってる感は否めないですね。単純にカッコいいけど、そのカッコよさのワンパターンっぷり故に記憶に残りづらい、という。
"Chaos - New God"も名曲というほど飛び抜けて素晴らしい曲ではないですし。
というわけで、デスメタル好きはまずPVになってる#2"Distorted Perspective"と"Chaos - New God"を聴いて判断してください。それ以外の人はスルー推奨で。
【79点】
2013年2月24日日曜日
DEVOURMENT: "Unleash The Carnivore" (2009)
ブルデスのジャケに出てくる生物とかって、ラスボスとか隠しボス的なポジションありそうだなーとか思ってるんですが皆さんはどうですか?
まあこのジャケの生物は蛆虫がモチーフだそうなのでラスダンの中ボスぐらいかなって感じしますけど。
閑話休題。今年新譜を出す(もう出した?)米国デスメタル界の中堅DEVOURMENTの09年発表の3rdでございます。
99年に1stでスラミング・ブルータル・デスメタルの端を開いたものの02年に解散し、05年に再結成して出した2ndは「音質が良すぎる」だの「やかましい」だの「スネアロールが少ないからクソ」だの散々な言われようだったらしいんですが、ではこの3rdはどうか。
結論から言うとかなりの出来です。というか名盤です。
確かに1stのグッチャリ感というかおどろおどろしさは魅力的なのですが、金物がうっさすぎてリフが聴こえにくいというハンデ付の2ndの方が、曲としてのカッコよさという点では上回ってます。
正直言って"Babykiller"を最初に聴いたときより"Butcher The Weak"を最初に聴いたときの方が「うおおおおおお!」ってなりました。
話しがズレまくってますが、何が言いたいかというと、この3rdは基本的に2ndの延長線上にあり、なおかつ2ndの金物のプロダクションを現代風に改善したようなアルバムだということです。
低音に徹して「グヴィーウヴィヴィヴィーオ゛ヴィー」ってな感じの何言ってるか分からんボーカル、分厚く分かりやすいフレーズ連発のギター、重量感のサポートに徹するベースとリズム展開やボーカルとの掛け合いなどトータルで見るとギター並に目立ちまくりのドラム。
全パートがそれぞれにカッコいいのに、それが組み合わさったときの破壊力ときたらもうね。特に#6"Deflesh The Abducted"の中盤の、楽器陣が同期してドッスンドッスン言わせてるところとか。ダイナミックすぎるドラムの動きとか。最高ですね。
速さと遅さの落差の演出に、ブラストビートやビートダウンなどに混じって普通の8ビートなんかもあって、遊び心も感じさせてくれます。それが嫌味でないってのが凄い。
メタルの中でも随一の自家中毒感を誇るデスメタルというジャンルですが、聴きやすさと暴虐性を兼ね備えた、トータルで完成度の高いアルバムが09年に出ているので、まだまだ先細ることはないでしょう。
ただ、「スネアの音がDEVOURMENTじゃない!イヤだ!」って人は多かれ少なかれいると思うんで、2ndに失望した人は聴かない方がいいかもしれませんね。そういう人は音楽的にあんまり共通点ないけどスウェーデンのDEVOURMENTの方を聴(ry
【89点】
2013年2月23日土曜日
NODRAMA: "The Patient" (2012)
エットレ・リゴッティといえば、DISARMONIA MUNDIのリーダーであり、ジブリのメタルカバーコンピレーションを世に送り出したなどの印象が強いですが、実は彼はCoroner Recordsというレーベルも主催しております。
そのCoroner Recordsから去年デビューしたスペインの「モダン・メタル」を標ぼうする新人バンドがこのNODRAMAです。
これが、さすがはエットレが目をつけたバンドというか、今までありそうであんまりなかった感じの音を出してるんですよね。
某所ではゴシック・メタルとカテゴライズされていましたが全然違います。端的に説明すると、グロウルを使わないモダンなメロディック・デスメタルという感じです。マイルドなメタルコアとも言えそうですね。
かといってBULLET FOR MY VALENTINEみたいなのとは違うんだよな~。みんなその辺思い出しそうだけど、そうじゃないんだよなあ~。
…一言で言い表すなら、オルタナティブ・メタルと言った方がしっくりくるかも、と思うあたり、オルタナティブって単語は偉大だな。あれやんな。
ギターリフはエスニックなツインリードをしてみたりと変わり種っぽさも見せつつ、基本的にはモダンメロデスでは定番的なものですね。
Voはエモっぽさと90年代オルタナティブ・メタルっぽさの同居しているような声質で、雰囲気としてはSOILWORKやMNEMICのVoに近いですね。スピード感のある曲では力強く響いて、ミドルテンポの曲では豊かに歌い上げることができます。
というか、音的にもそのMNEMICのVoがやってるONE WAY MIRRORというプロジェクトにかなり近いなあ。
ガツガツ疾走する#2"Tail Nailed Fish"、全体的にポストハードコアくさいオルタナティブ・メタル・ナンバーの#5"Power Of Lavishness"、IN FLAMESの"Trigger"をよりメランコリックにしたような#10"Believer"など、なかなか聴きごたえのある曲が多いですね。
ちょいとボーカルの出来が曲によって違うかな? と感じるので、次のアルバムでの改善に期待してます。
【81点】
2013年2月22日金曜日
CRYPTIC SLAUGHTER: "Money Talks" (1987)
スラッシュメタルは、こんな物好きのブログをご覧になるみなさんならご存知かと思いますが、ハードコア・パンクとの共通項や相互作用の多いジャンルです。
SLAYERなんかはずっとハードコア・パンクの影響受けてますしね。
中でもこのCRYPTIC SLAUGHTERは、その名もずばりクロースオーバー・スラッシュと呼ばれるサブジャンルに属しており、ハードコア・パンクの影響を隠すことなく、むしろ表に出しまくっています。
CRYPTIC SLAUGHTERは生粋のスラッシュメタルほど刻みが激しかったりテクニカルなのではなく、"Punks Not Dead"のころのTHE EXPLOITEDを思わせるパンキッシュなリフをスラッシーな音作りにして音数を微妙に増やしたり減らしたりしたようなものが多いですね。
そして、ときにグラインドコアに通じる強烈な速さを見せます。というか速くなるときは大体ブラストビート使ってます。
80年代後半のブラストビート使ってたアルバムというと、TERRORIZERの"World Downfall"がよく挙げられますが、あっちは89年作なのでこっちの方が早いという。
お世辞にもA級のバンドではないのでドラムが不安定なことが多いですが、それですら「ハードコアなんだからいいっしょ!?」的なノリによって良い感じになってしまっているのが恐ろしいですね。
まあ、プロダクションもこの手のバンドにしてはまともな方だし、聴けないほどのド下手でもないので、そこら辺の超絶ポンコツスラッシュといっしょにしては失礼ですが。
気になった曲を挙げると、まずはストップ&ゴーを超極端に演奏した#3"Could Be Worse"。グラインドコアバンドがスラッシュメタルやったらっていう雰囲気です。
それから、S.O.D.に通じるバカさ加減のある#7"Too Much, Too Little"、ぐちゃーっと潰れていくブラストビートからのノリノリなコーラスっていうのが何ともアホっぽくて面白い(褒め言葉です)#8"Human Contrast"。
そして、#9"Tables Are Turned"でしょうね。突進力ありまくりの展開は思わずサークルピットで回ったりぶつかりモッシュしたりする気分にさせられます。何よりそんな曲に「ちゃぶ台返し」っていう曲名つけちゃうのが良い。
すでにLAメタル爛熟期で、TERRORIZERも登場する前。タイミングさえよければ有名になったんじゃないでしょうかね?
ちなみに今は活動休止期間と再結成を経て、バンド名をBELOWに変えているそうですがまったく情報がないです。誰か教えてくり~。
【82点】
2013年2月21日木曜日
WHITECHAPEL: "A New Era Of Corruption"
デスコアと言えば?と訊くとかなりの確率で名前が挙がるのは先日Voの亡くなったSUICIDE SILENCEやBRING ME THE HORIZONでしょう。そして俺が一番好きなデスコアのバンドはIMPENDING DOOMです。
なのにデスコアのアルバムについて書くのは、このWHITECHAPELが最初っていうね。
WHITECHAPELはデスコアの中では一般的な音楽性のバンドです。
ややこもり気味のガテラルボイス中心のVoが、でろんでろんのへヴィネス全開リフに半音階リードギターやKORNみたいな不協和音といっしょに乗っかり、それをブラストビートや手数を抑えたブレイクダウン風ドラムで下支えする、という感じですね。
演奏は非常にテクニカルで、機械のような緻密さがあります。ジャケのメカニカルな仏像はイメージとしてはぴったりですね。
ミックスもしっかりしていて、へヴィネスを的確に伝えています。
MVにもなった#3"The Darkest Day Of Man"やDEFTONESのチノ・モレノ(Vo)の参加した"Reprogrammed To Hate"の重苦しさは、心地良すぎて鼻血出るレベル。
このバンドが普通のデスコアのバンドと違うのは、ギターが三人いることです。ぶっちゃけ三人いてもCDの音にはぜんぜん影響しないんですが、ライブでの音圧は動画とかを見る限りツインギターよりもはるかに良いですね。
メタルコアからデスコアに流れてきた人にとってはちょいデスメタル色が強すぎるようですが、デスメタルから流れてきた俺みたいなのにとっては、「デスメタルがさらにモダンになったみたいな音でカッコいい!」という感想になります。
ただ、ボーカルにしろギターリフにしろ、かなり低音域にとどまり続けるので、アルバム通しての変化はかなり少ないです。通して聴くのはちょっと厳しいですね。曲単位で聴くと普通にカッコいいのですが。
【84点】
2013年2月19日火曜日
WHIPLASH: "Power And Pain" (1985)
スラッシュメタルというのは、ブラックメタルの直接的な始祖であると同時に、メロディック・スピードメタルやメロディック・デスメタルの間接的な始祖でもあります。
なので、それらのリスナーにはスラッシュメタルのリスナーの「ある価値観」が受け継がれております。それは一般の音楽ユーザからすると理解し難いものなのですが、その手のジャンルが好きな人はみな多かれ少なかれ同意するでしょう。
それは、
ポ ン コ ツ ほ ど 良 い !
という価値観です。俗にいうB専みたいなもんですね。スラッシュメタルにはそういうリスナーが特に多い気がします。
このWHIPLASHの1stアルバム、"Power And Pain"もそんなB級スラッシュ専門(すいません、他意はないです)なメタラーから絶大な支持を受ける一枚です。
何がどうB級かというとですね、まず、ジャケがダサい。どういう効果を狙ったのかまったく分からない。さすがに擁護しきれないダサさ。
曲そのものもジャケに負けないぐらいダサいです。ジャケ同様低予算丸出しのしょぼいプロダクションな上に、ドタバタ感溢れるドラムの2ビート、とりあえず叫んでみました的なボーカル、16分刻んで時々ピロリロしてればいいと思ってるようなもたりまくり&走りまくりのギター、聴こえないベース。
ていうか一曲目から曲名が"Stage Dive"な時点でアホ全開です。「警備員どもを押しのけろ!」とか「殺すためにスラッシュするんだ!」とか歌ってるし。
極め付けは#6"Power Thrashing Death"。曲名といいリフといい歌詞といい、バカ丸出しにもほどがあります。
しかし、しかしですよ。これが何故かカッコよく聴こえるんです! バンド名のとおり初期のMETALLICAに影響を受けているなあとか、実はギターリフにテクニカルな部分もかなりあるなあとか、聴きどころもかなり多いんですよ!
実際、下手くそなりに耳にとっかかりを残すのは、上手いけど全然印象に残らない曲作るのなんかよりよっぽど大変ですし。
というわけで俺はB級スラッシュは別に至高のジャンルだとは思いませんが、このアルバムは嫌いになれません。というかこのダメさ加減を愛してます。
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