2013年2月18日月曜日

FIVE FINGER DEATH PUNCH: "The Way Of The Fist" (2007)


いやー懐かしいですね5FDP。

某サイトの影響で完全にメロスパーと化していた俺を、一気にモダンなメタルの方面に引き戻しやがったバンドですよ。すごくどうでもいいですね。

何が耳を惹いたのか。

やはり、メロスパーの琴線にも触れる欧風のメロディックなリード・ギターやアルペジオと、ニューメタル特有のダウンチューニングでグルーヴを重視するリフの合わせ技でしょうね。

類型の音をメタルコアという形で聴く今となっては別に珍しくもなんともないけれども、メタルにハマって日の浅い小僧にとっては非常に刺激的かつ魅力的でした。

ゾルタン・バソリ(Gt)はそもそもハンガリー出身なので欧風のリードギターを弾いてても別に不思議ではないのですが、当時の俺にそんなことは分からんので、「アメリカにもこんな風に弾くギタリストがいたんだ!」とか思ってました。

無知ってそれだけで曲の魅力を数段押し上げるんですね。

さらに言えば、元々コリィ・テイラーやロブ・フリンを始めとするニューメタルボーカリストたちの「デス声」を崇拝していた俺にとっては、ハードコアなシャウトに加えて野太いクリーンを操るVoのアイヴァン・ムーディは神にすら思えたわけです。

ていうか、今聴いても普通にアイヴァン・ムーディはカッコよくね?って思いますし。いや、KsEのハワード・ジョーンズの方が好きだけどさ。

#1"Ashes"、#2"The Way Of The Fist"、#3"Salvation"、#4"The Bleeding"、#6"The Devil's Own"、#7"White Knuckles"、#8"Never Enough"、#10"Can't Heal You"などなど、ドヤ顔でカッコいいだろ?とばかりに分かりやすいメロディとリフでごり押ししてくる曲の素晴らしいこと。

そのリードギターやドラミング、ボーカリゼーションにあざとさを感じないかと言えば嘘になりますが、オルタナティブ・メタルで重要なのは何よりも分かりやすさ。

そして、何となく定型に当てはまってること。

最近はチャラさやあざとさのあるメタルに抵抗があったにも関わらず、5FDPは改めて聴いたら未だにかっこよかった。

「お約束」的な要素を、単なる才能の貧困さとして片づけてしまうのはあまりにもったいない。「あざとい」バンドをチャラいセルアウト野郎としてレッテルを貼るのはもっともったいない。

なんて思わせてくれたりしました。反省。

最近は日本ではそこまで注目されてないようですが、近作もちゃんと買っておきたいなあ。

【89点】

2013年2月17日日曜日

BLOOD DRUNK: "Machine Made Flesh" (2010)


このチルボドの6thみたいなバンド名のBLOOD DRUNKは、メタルとパンク発祥の地であるイギリス出身のデスメタル/グラインドコアバンド。

"Machine Made Flesh"は1stアルバムで、bandcampから公式に無料ダウンロードできる音源です。CDも輸出しているようなので、現物厨にも嬉しいですね。

デスメタルとグラインドコアを混ぜたようなバンドをデスグラインドというジャンル名でカテゴライズします。定義も適当ならジャンル名も適当、適当過ぎて正直よく分かりません。一番有名なのはEXHUMEDですかね。

このBLOOD DRUNKは、bandcampでdeathgrindタグを漁ってて見つけました。

デスグラインドを標榜するわりにかなりブルデス色が強く、NILEあたりを思わせるリフやテンポチェンジを多用する場面なんかが結構出てきます。こもり気味のグロウルとブラックメタル的なギャオギャオ声を上手いこと使い分けてるボーカルがブルデス感を助長してます。

スネアの音もスコココココ…というよりポコココココ…的な感じで聴こえますし、何より曲に整合性がありまくりなので、グラインドコアっぽさはかなり少なめです。ちょいちょい挟むSEがグラインドコアっぽいんですが。

微妙にへっぽこなプロダクションと、ときどき出てくるMORBID ANGELみたいなトレモロリフがオールドスクールっぽさも申し訳程度に出しており、いいアクセントになってますね。

曲単位でいうと、#5"King Abomination"なんかはブルデスとしてなかなか良い曲ですよ。ブルデス好きが身を乗り出すようなリフをいくつも組み合わせてて、結構な回数リピートしました。

曲名からグラインドコア要素を期待して聴いたら思いっきりNILEあたりのブルデスな感じでずっこけて、逆にそれで印象に残った#7"Grinder"とかも、よく聴いてみると地味に良いです。

ただ、"King Abomination"も"Grinder"も含めて、全体的に地味。とてつもなく地味。新鮮味や意外性や独創性はほぼ無し。なのでデスメタルにオリジナリティを求める向きには不向きでしょうね。

俺にとっては地味デスメタルis正義なので無問題ですが。通して聴いても30分しないので聴きやすいというのもポイント高めです。なので、それほど頻繁に聴くわけではないですが、結構好きですね~。

あるか分からない次作に勝手に期待してます。

【81点】

UNGRACE: "Hostile Revival"(2010)


ウクライナのインダストリアル要素のあるモダンなデスメタルバンド、UNGRACEの1st。

以前はdfmo.netというキリル文字圏のバンドを集めたレーベルのサイトで無料でダウンロードできたのですが、サイトがどうも閉鎖してしまったらしく、現在は現物をバンドから買う必要があるようです。俺はdfmo.netがまだ生きているときにダウンロードできました。

如何にもオシャレさを狙った感のあるロゴとモダンなアートワークですね~。

音の方もデスメタルを標榜するくせしてなかなかに要領よくまとまめられています。FEAR FACTORY的なリフとバスドラの同期、ちょいちょい顔を出すキーボード、綺麗に歪んで聴き取りやすい低音グロウル、ピロリロしたギターソロ。

なんちゅーか、ブルデス/テクデスに似た瞬間もかなり多いです。

モダンなメタルを意識したと思われる、クリーンのサビやポストハードコア系のリフを多分に含んだ曲もございます。できるだけ間口を広げたい、という感情が垣間見えますね。

ただ、それが必ずしも魅力的に映るかというとそうでもないです。

ノリノリ感のようなものをうまく出してる#2"Humanity Dethroned"や、デスメタル色を強く出した#3"Insane & Paranoid"、#5"It's Hostile"なんかはわりかし良くね? とか思ってるのですが、いかんせん他の曲は聴いててもあまりピンとこない。

主にインダストリアル/モダン要素とデスメタル要素がうまいことリンクしないのです。キーボードが本当に必要か?と思う瞬間も結構ありますね。

音楽に貴賤はないとは言いますが、作曲や演奏における上手い下手というのは残念ながら存在しており、UNGRACEは残念ながら作曲面ではまだパーフェクトではないのでしょう。

今でもたまにランダム再生で上に挙げた曲がかかるとふと思い出して、アルバム前半だけ聴いたりしてます。

【77点】

MINISTRY: "Psalm 69" (1992)


インダストリアル・メタルの確立者、MINISTRYのディスコグラフィの中でも、最高の一枚といっていいアルバムがこの5th。

インダストリアル・メタルとは何ぞや。

日本人にはなじみの薄いジャンルですが、サンプリングやドラム打ち込み、シンセサイザーの多用で曲を彩ると特徴づけられています。

00年代にはLINKIN PARKやSLIPKNOTによりロックの世界では一般的になった要素ですね。

ちなみにインダストリアル・メタルというとアメリカのバンドが圧倒的に多いですが、これはインダストリアルというジャンルが発展するにあたって、ロックやメタルの要素を取り入れて大衆化していったアメリカのインダストリアル・バンド/アーティストを、「インダストリアル・ロック」とか「インダストリアル・メタル」と区別していったためだそうで。

元々MINISTRYもEBMのユニットとしてスタートしており、一旦EBMとしての評価を確立した後、メタルに傾倒していったということで、見事にジャンルの歴史を体現しております。

まあ後追いで聴いてる俺にとっては関係ないことなんですがね。

EBMとかが好きなインダストリアル・メタルのファンの中には、5thはスラッシュ色強すぎてダメとか、3rdや4thの方がEBM色あるとか機械的だとか何とか言う人がいますが…

スラッシュ色があるから良いんだよ!

#1"N.W.O."のBPM固定で冷徹に進んでるところとか!

#3"TV II"のグラインドコアぎりぎりのドラムマシーンの暴れっぷりとか!

#4"Hero"のベイエリア・スラッシュっぽいリフや掛け声の入れ方とか!

どう聴いてもカッコいいとしか思えません。スラッシュ脳乙。

あと、必ずしもスラッシュメタル系のアプローチばっかしてるわけじゃないんですよね。#2"Just One Fix"とかハードロックっぽい盛り上げ方ですし、#8"Corrosion"とかいかにもアメリカのノリノリなインダストリアル・メタル・ナンバーですし。

ジャンル特有のサウンド・プロダクションやサンプリング手法に戸惑う人はいるでしょうが、ぜひ一度聴いてみてください。とめどなく溢れる殺気にハマりますよ。

【89点】

2013年2月16日土曜日

HATEBREED: "The Rise Of Brutality" (2003)


メタルコアとはそもそも「メタリック・ハードコア」なわけですよね、原義的には。

そのうちハードコアな性質、もっと言えばハードコア・パンクがスラッシュメタルに影響を与えたエッセンスを、メタルの要素で加工したバンド、それがHATEBREED。と俺は勝手に考えているわけですが。

メタルの要素は主に音作りとかで、ハードコアの要素はVoとモッシュパート、ブレイクダウン、リフですかね。リフについては両ジャンルともに共通項が多いので断定はできません。

新作が出ているのでそれについて書きたいのですが、金がなさすぎて今はまだ買えないので名盤のこれ(3rd)について書きます。

人によっては"I Will Be Heard"の入ってる"Perseverance"の方がいいって人もいるみたいですが、全体的な印象はこっちの方が圧倒的に良いですね~。

どうでもいいけどメタルコアのバンドってATRとか、AILDとか、KsEも、全部名盤は3rdに集中してますな。

このアルバムの何が魅力的かというと、重く叩きつけるようなリフと、男臭いシンガロングと、ダイナミックなドラムの破壊力。

特に#2"Straight To Your Face"、#3"Facing What Consumes You"とどんどんスピードアップしていってからの#4"Live For This"。この抜群のタイミングでミドルテンポの曲を持ってくるセンス。素晴らしいですね。

曲単位で聴くと正直大したことやってないんですが、曲のつながり方に燃えます。

アルバム後半になるとへヴィネス重視の曲が増えて前半の疾走感はなくなるんですが、ジェイミー・ジャスタ(Vo)の暑苦しいシャウトがその分映えてきます。特に#8"Beholder Of Justice"とか、#10"Voice Of Contention"とかですね。

あとアルバム最後を飾る#12"Confide In No One"は名曲。ブレイクダウンかっこよすぎ。

歌詞も読みこむと気分が高揚するものが多いので、歌詞厨のあなたもぜひブックレットを見て燃え上がりましょう。

とか色々書いてきましたが、ハードコアのアルバムは基本的に考えずに聴いてた方が幸せになれます。コピバンやるために聴きこんでたときは結構しんどかったです。

熱血体育会系の音を聴いて元気出したいときにどうぞ。

【92点】

ALL THAT REMAINS: "Behind Silence And Solitude" (2002)


当時SHADOWS FALLのVoをやっていたフィリップ・ラボンテのプロジェクト的な感じで始まったバンド、ALL THAT REMAINS。

3rdが(特に"This Calling"が)圧倒的に有名すぎてもう他のアルバム聴かれてないんじゃないかって感じですが。特にこの1st。

メタルコアはアメリカのメタルヘッド/ハードコア・キッズによるAT THE GATESの「発見」から始まったジャンルなわけですが、そのことを強く意識させられるアルバムですね。

ダウンチューニングの施されたリフはATGやその周辺のスウェディッシュ・デスメタルちっくで、ブレイクダウンを時折入れてくるところはハードコアな感じ。

ちょいとドラムがバタ臭い感じとかもATGっぽいです。スラッシュよりはハードコア寄りの2ビートを中心に叩いてたり、上半身がもたってたり、といった要素がバタ臭さにつながってる模様。

後に数々のメタルコア・アンセムの感動的な歌メロを多数生み出すフィリップ・ラボンテは、がなりっぱなしでクリーンは一切吐き出しません。勿体ない。

このアルバムもメタルコアのアルバムとしてカウントされてるわけですが、ブレイクダウンがそこまで出てこないってことを考えると、やはりリフによって特徴づけられてるジャンルなんだなあと。

ただ、後々顕著になるバスドラと同期した刻みは出てこないです。

気になった曲をいくつか挙げると、#3"Follow"は最後のブレイクダウンでソロ入れてくるところがニクい。#6"Shading"はやや変拍子とかも取り入れたメロデス曲でツインリードがなかなか良いっす。

めちゃくちゃ速い曲とかはないしはっとするような瞬間も少ないんで、ATRのアルバムなら何でも聴けます!てなファン向けですな。それでもあんまり頻繁に聴くことはないでしょう。

【73点】