2013年2月17日日曜日
UNGRACE: "Hostile Revival"(2010)
ウクライナのインダストリアル要素のあるモダンなデスメタルバンド、UNGRACEの1st。
以前はdfmo.netというキリル文字圏のバンドを集めたレーベルのサイトで無料でダウンロードできたのですが、サイトがどうも閉鎖してしまったらしく、現在は現物をバンドから買う必要があるようです。俺はdfmo.netがまだ生きているときにダウンロードできました。
如何にもオシャレさを狙った感のあるロゴとモダンなアートワークですね~。
音の方もデスメタルを標榜するくせしてなかなかに要領よくまとまめられています。FEAR FACTORY的なリフとバスドラの同期、ちょいちょい顔を出すキーボード、綺麗に歪んで聴き取りやすい低音グロウル、ピロリロしたギターソロ。
なんちゅーか、ブルデス/テクデスに似た瞬間もかなり多いです。
モダンなメタルを意識したと思われる、クリーンのサビやポストハードコア系のリフを多分に含んだ曲もございます。できるだけ間口を広げたい、という感情が垣間見えますね。
ただ、それが必ずしも魅力的に映るかというとそうでもないです。
ノリノリ感のようなものをうまく出してる#2"Humanity Dethroned"や、デスメタル色を強く出した#3"Insane & Paranoid"、#5"It's Hostile"なんかはわりかし良くね? とか思ってるのですが、いかんせん他の曲は聴いててもあまりピンとこない。
主にインダストリアル/モダン要素とデスメタル要素がうまいことリンクしないのです。キーボードが本当に必要か?と思う瞬間も結構ありますね。
音楽に貴賤はないとは言いますが、作曲や演奏における上手い下手というのは残念ながら存在しており、UNGRACEは残念ながら作曲面ではまだパーフェクトではないのでしょう。
今でもたまにランダム再生で上に挙げた曲がかかるとふと思い出して、アルバム前半だけ聴いたりしてます。
【77点】
MINISTRY: "Psalm 69" (1992)
インダストリアル・メタルの確立者、MINISTRYのディスコグラフィの中でも、最高の一枚といっていいアルバムがこの5th。
インダストリアル・メタルとは何ぞや。
日本人にはなじみの薄いジャンルですが、サンプリングやドラム打ち込み、シンセサイザーの多用で曲を彩ると特徴づけられています。
00年代にはLINKIN PARKやSLIPKNOTによりロックの世界では一般的になった要素ですね。
ちなみにインダストリアル・メタルというとアメリカのバンドが圧倒的に多いですが、これはインダストリアルというジャンルが発展するにあたって、ロックやメタルの要素を取り入れて大衆化していったアメリカのインダストリアル・バンド/アーティストを、「インダストリアル・ロック」とか「インダストリアル・メタル」と区別していったためだそうで。
元々MINISTRYもEBMのユニットとしてスタートしており、一旦EBMとしての評価を確立した後、メタルに傾倒していったということで、見事にジャンルの歴史を体現しております。
まあ後追いで聴いてる俺にとっては関係ないことなんですがね。
EBMとかが好きなインダストリアル・メタルのファンの中には、5thはスラッシュ色強すぎてダメとか、3rdや4thの方がEBM色あるとか機械的だとか何とか言う人がいますが…
スラッシュ色があるから良いんだよ!
#1"N.W.O."のBPM固定で冷徹に進んでるところとか!
#3"TV II"のグラインドコアぎりぎりのドラムマシーンの暴れっぷりとか!
#4"Hero"のベイエリア・スラッシュっぽいリフや掛け声の入れ方とか!
どう聴いてもカッコいいとしか思えません。スラッシュ脳乙。
あと、必ずしもスラッシュメタル系のアプローチばっかしてるわけじゃないんですよね。#2"Just One Fix"とかハードロックっぽい盛り上げ方ですし、#8"Corrosion"とかいかにもアメリカのノリノリなインダストリアル・メタル・ナンバーですし。
ジャンル特有のサウンド・プロダクションやサンプリング手法に戸惑う人はいるでしょうが、ぜひ一度聴いてみてください。とめどなく溢れる殺気にハマりますよ。
【89点】
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